くろいヘドロ

オタクです

「パクリ」と「オマージュ」

ドヒ松です

最近作曲をかじり始めたのですが、やはり僕も創作をする上で誰もが苦しまなくてはならない壁に直面してしまいました。

 

「何かのパクリにならないか」という不安です

 

いい感じのフレーズを思いついてそれを形にしたあとで、「よく考えたらこれ〇〇のパクリじゃね?」と気づいて萎えることが多々あります。僕なんて無名中の無名中の無名のカスなのですが、それでも何言われるか分かったもんじゃありませんし、「知ってる曲と似たフレーズを作ってしまった」という事実は自分の不甲斐なさが露呈するようで結構心折られます。

 

有名なアーティストにもこの「〇〇のパクリじゃね?」の矛先はしょっちゅう、というか毎日のように向けられています。

 

最近一部の界隈を賑わせたある事案をご存知でしょうか?

 

日本に住む人なら今や一度は聴いたことがあるであろう、King Gnuの「一途」です。



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かっけぇ。特徴的なカッティング(合ってますよね?)から始まり、それに重なるように

F#m→A7→D→C#→D→A7→A#→G

というコード進行が延々と展開される、想像以上にシンプルな構成の曲です。

 

後出しジャンケンみたいで申し訳ないんですけど、僕はこの曲を初めて聞いたとき、「おや?」と気づいてしまいました。

 

僕の好きなある曲にまあまあ似ていたからです。そして案の定、インターネットでは同じような意見で持ちきりでした。

 

 

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かき鳴らされるギターのパート→メインのパート→そのままAメロという展開も同じですし、

F#m7→A→D→C#m→Dm7

と一途とそこそこ似てるコード進行が展開されます。

まあ確信はもちろんないですが、暴風混乱くらいの確率で影響受けてると思います。「全くの偶然」と言われたら「それはちょっと見苦しくね?」と思ってしまう。

 

 

King Gnu関連でもう一つ提示しておきます。

ボーカルの常田さんが監修しているプロジェクト、millennium paradeの2992という曲。

 

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(公式の映像ではないのでちょっと申し訳ないですが)

特徴的なベースラインを延々と繰り返す曲です。

僕はベースラインの最初の音を聴いた瞬間から「あ~w」となってしまいました。こんなん「モロ」です。

 

 

 

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笑っちゃうくらい似てますね。

ベースの音の質感とかもそっくりです。

2992はサビでちょくちょく転調していたり、そもそも曲の展開が結構違ったりするのですが、このベースラインについてはもう偶然と言い張るのは無理でしょう。

 

※そもそもこのmillenium paredeの世界観が、イギリスのアニメのキャラが演奏しているという設定のGorillazというアーティストと似たようなものを感じます。(millenium paredeには3次元のMVもありますしこじつけかもしれませんが。)

 

↓millenium paredeの曲

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Gorillazの曲

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曲の空気感も似てる気がします。

もちろんどっちも好きですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、一途はBrianstormの、2992はNational Anthemのパクリなのか?ということなのかと言われるとそういう訳ではなくて、多くの人は「これはパクリではなくオマージュだ」と評価しています。

 

オマージュって何やねんってことですが、フランス語で「敬意」を意味する言葉であり、つまりここでの意味は「ある作品に敬意を払いながら、似た作品を作ること」ということです。

 

King Gnu常田さんはしばしば洋ロックが好きだという発言をしており、Arctic Monkeysなんてドストレートに好きと発言しています。

Radioheadに言及している情報は僕はまだ分かりませんが、洋ロックを聴くにおいてRadioheadを通らない人間なんて見たことがないので、まあ聴いてるんでしょう。)

 

だからこそ、この2つも多くの人に「オマージュ」という評価をされたという訳ですね。

 

言い方を変えれば、色んな曲を聴いて、それのことが好きだと発信し続ければそれと同じような曲を作ったとしても「オマージュ」になって許されるということ(なんかあれですけど)

 

常田さんの音楽の知識は本当に凄まじいものだと思っています。

その「音楽の知識が凄まじい」という予備知識があったからこそ、この2つの関係に並々ならぬ敬意を感じ、僕は快く受け入れることができたのでしょう。

 

 

 

 

King Gnuが売れているのは、井口さんを中心とした彼らにしかできないクソデカ個性と、常田さんの作曲能力の高さ、ちょくちょく織り交ぜられる古き良き時代へのリスペクト(バンド全体のヴィジュアルもひと昔前のUKロックを彷彿とさせる)が組み合わさって、僕みたいな厄介ヴィンテージオタクを含む多くの人を虜にすることができてるからだと思います。

 

僕に関して言えば、一途を聴いたときにBrianstormの影響を感じられた自分にちょっと嬉しくなってしまい、さらにKing Gnuが好きになりました。

 

つまり、「やりすぎない程度にオマージュすること」はむしろプラスに働くというわけですね。

 

皆さんもそういう経験ありませんか?

「ちゃんとした会社」のRPGシミュレーションゲームで過去の名作の台詞やちょっとした展開が引用されてたり、アニメの話のタイトルで知ってる小説や古いアニメの名前が使われてたりすると、嬉しくならないですか?そして、「それを知っている自分」にちょっと誇らしくなりませんか?

 

最近、というほど最近ではないですがファイナルソードとかありましたね。

あれはリスペクトが感じられないのでパクリです。

仮にリスペクトがあったとしてもあそこまで露骨だと流石に過剰です。

 

「分かる人には分かる」くらいが丁度いいのです。本人がオマージュだと言い張っても行き過ぎると不快感が勝ち、パクリになってしまいます。

 

ここで一度話を戻すと、King Gnu(というか常田さん)が嫌いだが、洋ロックは好きな人が一途や2992を聴いたら、オマージュではなく「いやパクリだろ!」と発狂するでしょう。

アニメが好き(悲報)でアイドルが嫌い(悲報)な僕がオタクを自称するジャニーズやアイドルを「ファッション陰キャが代」と嫌ってるのと同じです。これは仕方のないこと。

 

結局、パクリかオマージュか決めるのはその人の尺度次第ってことですね。人それぞれ。

 

その人が不快感を覚えたらその人にとってはパクリ、不快感を覚えず、むしろ嬉しくなったりしたらその人にとってはオマージュです。

 

なんか逃げの結論みたいになってしまいましたが、まとめると「色んなものからオマージュを感じられるくらい文化的素養を身につけたらおもろいよね」ってことですね!

みんながワイワイ楽しんでるのを後ろから腕組んで「○○のオマージュなんだよなあ・・・」と眺めるの楽しいですよ。

 

終わり

よい文化ライフを!